日本のGDPの推移は、1992年頃まで急激に上昇して、その後停滞気味に上昇しています。 世界の名目 GDPでは、日本は1992年の約3.9兆ドルの2位から、2018年には約4.9兆ドルの3位に下がっています。この間の中国は、実に約27倍に増えて2位に躍進しています。日本の人口減少と高齢化では、2005年をピークに減少に転じ、2050年には約3300万人も人口が減少し、その中で特に高齢人口が増え、生産年齢人口が約3500万人も減少すると推定されています。人口面からも日本は、GDPが増加しづらいことが予想されます。
世界の一人当たりの名目 GDP(USドル)ランキングでは、日本の一人当たりの名目 GDP は1992年度の4位から、2018年度には1.25倍増加しても26位とランクを下げています。ちなみに2位であったルクセンブルクは、2018年度にはそれを約3倍増やして1位となっています。次に、日本の常用労働者1人当たりの平均月間 現金給与額の推移は、2000年前までは急激に増えましたが、その後は減少気味です。日本の企業規模(従業員数)と賃金、労働生産性は、比例関係にあります。
現在の日本から見た生産性の向上への対応策として、地球規模から個人まで様々な対応策がとられています。
「なぜ、日本の一人当たりの生産性の伸びは諸外国に比べて劣るのか?」
私なりに日本の低生産性の仮説原因を考えてみました。それは、1.経済の自由化、2.中小零細企業が多い、3.規制強化、4.経済のソフト化等、5.生産年齢人口の減少(高齢化)です。
経済産業省の中小企業・小規模事業者の生産性分析とか、日本の改善提案件数と世界競争力の推移に関する資料を示しました。
生産性の産出/投入の式に注目して、生産性の向上要因をまとめました。また、経営資源から見た生産性の向上策をまとめました。1.ヒト 必要不可欠な人材、ケイパビリティ(その企業に固有の組織的な強み)。2.モノ 企業規模拡大、自動化機械、ロボット、ITの導入。3.カネ 高賃金。4. 情報 IT。5. 経営 経営理念、経営戦略、経営計画、教育訓練、海外展開、研究・改善活動。6. ノウハウ、特許、コアコンピタンス、ビジネスモデル。7. 認証、採択 ISO、JIS、補助金等。8. DX。
これらを強力に推進することが、生産性の向上に寄与します。
講師略歴
寺田コンサルさん 代表 寺田茂樹
中小企業診断士。兵庫県中小企業診断士協会会員
住所:兵庫県姫路市的形町的形1188-98
Eメール:t.consul-san@meg.winknet.ne.jp
職歴:鉄鋼メーカ−OB。
製造業、特に鉄鋼業、機械工業における現場経験が豊富で、経営戦略から運営までの経験を有する。製造業務、特にコスト・品質・納期・安全の改善活動やITの実務経験を有すること、中小企業の製造業に相当する材料購入、設備導入から生産技術・管理、製品販売までを経験したこと、中小企業の経営全般知識を有することから、顧客現場に密着したサポートを志向している。