「第3回こうべ燦々会」セミナーレポート
「「地方創生」“施策”から“運動”へ 〜事例に学ぶ今後の展開論〜」
日時:平成28年7月19日(火)18時〜20時 | |
場所:神戸市勤労会館403号 | |
<プログラム> | |
講師 中小企業診断士・(株)ベスト経営研究所代表取締役 福島 繁 氏 | |
(内容) | |
T 安倍内閣「地方創生」の注目点 | |
U 地域支援コンサル活動の振りかえり | |
V 注目した地方創生事例から学ぶこと | |
1「行政に頼らない地域作り」<鹿児島県鹿尾市> | |
2「いつか帰りたくなる街づくり」<兵庫県淡路市> | |
3「“病院の品質”から“地域の品質”へ」<石川県七尾市> | |
W 参画中の地域創生活動−西宮・甲山プロジェクト− | |
「文教住宅都市・西宮の自然環境保全活動」 | |
X まとめと今後への提言:施策から運動へ |
昨年7月に発足した「こうべ燦々会」のセミナーは第3回を迎えることになり、
今回は、福島代表のコンサルタント経験に基づくお話を聴講することになった。
今回のテーマである「地方創生」は安倍内閣が本気で取り組んでいる施策であり、
「こうべ燦々会」を主宰する中小企業診断士にとっても、大きな関心が持たれる内
容のものである。福島代表は、いろいろな立場で多くの地域に関わってこられたが、
今回はその集大成としてお話をいただくことになった。
「地方創生」施策の内容は、地方における「まち、ひと、しごと創生」であるが、 目標とするところは、「日本全体としての人口1億人維持」と「地方経済縮小の克 服」である。そのために地方への多様な支援と「切れ目」のない施策の展開が盛り 込まれているが、全国1485自治体に「地方版総合戦略」の策定を求めている点に 従来の地域活性策とは違う本気度が読み取れる。今回のセミナーでは、最初にこの 「地方創生」について理解を深めることができた。
続いて、「地方創生」に関する5つの注目事例が紹介された。
最初は鹿児島鹿屋市の「やねだん」である。これは、「地方創生」が施策として
取り上げられる以前からの活動であり、「行政に頼らない自力の地域づくり」を実
現させた事例として広く知られている。詳しくは「やねだん」のホームページをご
覧いただきたい。
次は兵庫県淡路市の「いつかは帰りたくなる街づくり<企業誘致>」で、今回紹介された事例の中では、唯一「地方創生」の施策を活用した事例である。
以上の2つの事例では、強力なリーダーシップを持ったキーマンの存在が成功の
秘訣になっていることが印象的だった。
続く3つの事例は、福島代表ご自身が関与された「地方創生」の経験談である。
最初は福島代表の出身地である兵庫県の家島である。距離的には姫路市に近いが、
交通の便が船しかないため「離島」というイメージが強かった。しかし、今日のお
話を聞いて、従来からいろいろな取り組みがなされており、福島代表ご自身が深く
関与されていたことを知って感銘を受けた。
次に紹介された石川県七尾市の恵寿病院は、福島代表ご自身が経営コンサルタン
トとして支援された事例である。「地域創生」の要は医療と交通である。そして、
「病院の品質から地域の品質へ」という副題にあるように、病院においても経営品
質が重要な課題であることが理解できた。
最後に、現在福島代表が参加されている西宮市の甲山プロジェクト「文教住宅都
市・甲山の環境保全活動」が紹介された。最近、各地で「里山運動」が実施されて
話題になっている。一昔前の「里山」は、飯を炊き風呂を沸かすための薪を育てる
地域住民共同の生活の場であった。時代が変わっても、自然環境保護と地域住民が
生活を共にする場として「里山」に取り組もうとすることには共感できる。
「こうべ燦々会」は、当初目標としたとおりに最初の1年間で3回のセミナーを
開催することができました。ご参加いただいた多くの皆様に感謝します。今後は
フィールドワークも含めて何か面白いことができないか、NMO勉強会の成岡先生
及びメンバーの皆様と相談していきたいと思います。
(報告者:「こうべ燦々会」事務局 中島 和樹)